ネット株の心理学

ネット株の心理学 (MYCOM新書)

ネット株の心理学 (MYCOM新書)

毎日株取引のシステムいじってるので、イメージを掴むために。

内容としては、

従来の株の常識=企業価値の高い企業の株は上がる
を否定し、
マーケティング的な株のとらえかた=みんながほしがる株は上がる
ということを、実例をもとに分析していく本。


「1株100円の株を、100株1円に分割したら、株価総額50倍!」
みたいな、わけのわからん値動きを、投資家達の合理的な思考の集まりとして分析していく。
厳密性には欠けるのかも知れないけれど、とても説得力がある。
その上、面白い。
126ページのこのくだりとか、読んでいてゾクゾクした。

 ……5万1600円、30倍になった株価で買ってどうするのでしょうか? かわいそうな一番の素人が、一番の高値をつかまされてしまったのでしょうか?
 そうではありません。この30倍、5万1600円で買った人が、一番のプロフェッショナル投資家だったのです。


また、著者の株取引に対する考え方も面白い。
著者は一般的な株取引の考え方として、以下の2つを上げる。

・株は「やるもの」で、ギャンブルの一種である。
・株は投資であり、長期的に企業・経済の成長に貢献するものである。

ぼくも最近株の資料を読む中で、二つの考えに嫌というほど触れ、若干嫌気が指していた。
著者は、この2つの考え方はどちらも誤りであると言う。

本物の株式市場とは、株取引がゼロサムゲームであるという要素を常に内包していることを否定せず、そのゲームに負けないようにすべての投資家が思慮深く取引している市場です。(中略)潜在的にはゼロサムゲームの要素を十分に含んでいるにも関わらず、投資家たちがそれを認識しているがゆえに、その部分を顕在化させず、ゲームで安易に利益を上げられない市場となるのです。(P260)

参加者全員が「これはゲームだ」と理解してプレイすることで、ゲーム
の可能性が開花する。
なんとも示唆に富む話ですね。


そんなわけで、株バトル小説としても、株取引の異議を問う論としても、面白かった。